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宮城道雄小曲集

お箏の手ほどき集として、これほど親しまれている教則本はございません。
生田流のお箏のお稽古と申しましたら、どなた様もまずこのご本で基本のお勉強をなさっていらっしゃるのではないでしょうか。
宮城道雄は、『春の海』など数々の名曲を作曲なさった稀代の天才でいらっしゃいますが、後進の指導者としても、たくさんのご功績を残されました。この手ほどき集の作曲がそのひとつでございます。
また、歌詞のほとんどは、葛原勾当のお孫様にあたられる葛原しげるがおつくりになられました。とりたてて作詞者に言及していない曲は皆葛原しげる作歌でございます。

はんなりと可愛らしく、優しく、いとおしい小さな練習曲の数々を美緒野会会員様方とご一緒に、楽しくお勉強をしながらこれから少しずつ音源を入れてまいります。お稽古のよすがに・・・少しでも初心者様のお手伝いができましたら幸いでございます。

ところで、大好きな小曲集なのですけれども、初心者様にご指導いたしますときにたったひとつ、いつも困ってしまいますのが、お調絃(チューニング)の難しさでございます。
そこで・・・ものすごく大胆不敵なことではございますが、初心者様を、お調絃であまりお悩ませすることのないよう、私共美緒野会のお教室では、双調の曲の場合でもお調子替えをしないで、少なくとも始めのほうは全部盤渉(B)の平調子に合せてお練習しております。
特にお断りしていない限りひとまず全部、このお調子で弾いてまいりますので、一旦、お調弦してしまいましたらそのままのお調子でどんどんお練習を進めて頂けます。お声の幅に少し無理があったりいたしますけれども、そこのところは、どうぞおおらかなお気持ちで・・・お許し下さいませ。

お調子あわせ

最初はお調子合わせから参りましょう。一の音から順番に巾の音まで、実際の音が二回聴こえます。
ゆっくり流れますので、よく聴きながら同じ高さの音に合わせて、お調子合せの出来上がりです。

平調子
盤渉ばんしき
B
E
F#
G
B
C
E
F#
G
B
C
E
F#
※1 ここではA を442Hz とするピッチで調絃しています。
※2 表中の音名は便宜上KORG 社箏用チューナー「調べ」の表記に準拠しております。

宮城道雄小曲集・第一集
(邦楽社発行)

  • 練習1 地唄箏曲美緒野会

  • 練習2 地唄箏曲美緒野会

  • 練習3 地唄箏曲美緒野会

  • 練習4 地唄箏曲美緒野会

  • 練習5 地唄箏曲美緒野会

  • ロバサン 唄 星野詔子
    箏 小野真由美


    (一)ろばさん ろばさん トコトット おみみぴょこぴょこトコトット
    (二)カララン カララン 首のすず おみみぴょこぴょこトコトット

  • テンテマリ 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美

  • 福寿草 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    床に飾れる福寿草 今日咲き初めぬ やさし嬉し
    その名めでたき福寿草 黄金の色も ゆかし嬉し
    三絃との合奏は三絃ページにてお聴き下さい

  • お正月ですから 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    (一)父さま、鼓をちょっと貸して お正月ですからポンポコポン
    (二)母さま、三味線ちょっと貸して お正月ですからチテツツテン
    (三)姉さま、お箏をちょっと貸して お正月ですからコロリンシャン
    (四)弾き初め舞い初め唄い初め 友達集めてオホホホホ

  • お宮とお寺 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    (一)お宮に何がありますか  石のだんだん大鳥居 みたらし狛犬おしめなわ お手々ぱちぱちおがみましょ
    (二)お寺に何がありますか 大きいお屋根のご本堂 四本柱の鐘つき堂 お手々合わしておがみましょ

  • 吉野山 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    吉野山 霞の奥は知らねども 見ゆるかぎりは 桜なりけり

    *吉野山 三絃との合奏

  • 練習6 地唄箏曲美緒野会

  • 小 鳩 唄 上田茉友子
    箏 上田紀子


    まる窓 小鳩 春の日ながに 顔出して
    まる窓 小鳩 おてんと様も ねむそうな  ねんねんころりを歌ってる

  • 岩もる水 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    岩もる水も 松吹く風も しらべをそふる つまごとの音や
    あな面白の 今宵の月や 心にかかる 雲霧もなし

  • 練習7 地唄箏曲美緒野会

  • 雪のペンキ屋 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    雪のペンキ屋 屋根をぬる 門の屋根 倉の屋根 寺の屋根
    道をぬり 野をぬり 山をぬる 大きな大きな 刷毛であろ

  • 練習8 地唄箏曲美緒野会

  • 練習9 地唄箏曲美緒野会

  • 練習10 地唄箏曲美緒野会

  • 練習11 地唄箏曲美緒野会

  • 春の園 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    春の園 紅にほふ 桃の花 したてる道に いでたつ乙女
    (万葉集/大伴家持)

  • 小狸小兎 唄 山田桜子
    箏 荒井惠/小野真由美


    (一)こんこん小山の小狸は おはら鼓も打たないで 早く寝た夜夢を見た 親の仇を取った夢
    (二)こんこん小山の小兎は 踊り疲れて気持ちよく 早く寝た夜夢を見た 狸と仲良くなった夢

  • 朝の雪昼の雪晩の雪 唄 山田桜子
    箏 小野真由美


    (一)朝ふる雪はサーラサラ 木の葉木の葉にサーラサラ
    (一)昼ふる雪もサーラサラ 木の葉木の葉にサーラサラ
    (一)夜ふる雪もサーラサラ 窓で時々サーラサラ
    (一)窓をあければチーラチラ 灯にてらされてチーラチラ

  • 君のめぐみ 唄 冨田綾子
    箏 小野真由


    のどけき春の あささめに 萌え出でぬ 草もなし 君のめぐみは あめのごと 民の栄え 草のごとし
    (大和田健樹作歌)

  • 花咲爺 唄 上田茉友子
    箏 上田紀子


    (一)枯木に登って あちらの枝に こちらの枝に パッパッパッパッ 灰をば ふりかけ ふりかけながら 花咲爺さん 嬉しそう嬉しそう
    (二)枯木の枝にもきれいな花が 見る見るうちに パッパッパッパッ 咲いては喜ぶ 花咲爺さん 殿様までも お喜び お喜び

  • 春 霞 唄 井上寛子
    箏 小野真由美


    春霞 色の千草にみえつるは たなびく山の 花のかげかも
    (古今集)

  • 練習12 地唄箏曲美緒野会

  • 雛祭り 唄 冨田綾子
    箏 小野真由美


    (一)赤い毛氈緋毛氈 赤い段々緋段々 緋桃白桃花の枝 桜橘 絵雪洞 右に左にだんだんに 並べて雛のお祭り日
    (二)五人囃子に官女衛士 随身並ぶ下段には 金具も蒔絵も金銀の お道具揃えて上段に お行儀の良い内裏様 お嬉しそうな お顔つき
    (三)餅は草餅菱の餅 赤白青の重ね餅 さざえ蛤お煎り豆 赤飯白酒なんなりと どうぞご遠慮なさらずに 私は雛菓子ごちそうさま

  • 一番星二番星 唄 上田茉友子
    箏 上田紀子


    一番星見つけた 一番星は山の上
    二番星見つけた 二番星は森の上
    一番星はきらきらきん 金星あれは王子様
    二番星はぎらぎらぎん 銀星あれはお姫様
    金の冠金の靴 山の金星王子様
    銀の冠銀の靴 森の銀星お姫様

  • 勝った亀の子(本手のみ) 唄 山田桜子
    箏 荒井惠/小野真由美


    (一)向うのお山へ着くまでは 少しも休まず登っていって とうとう 兎に勝ちました 勝った亀の子万々歳
    (二)相手を遅いとあなどって 途中でうっかり寝ているうちに とうとう小亀に負けました 負けた兎の恥ずかしさ

  • 練習13 地唄箏曲美緒野会

  • 大井川 唄 星野詔子
    箏 小野真由美


    大井川 花と月との朧夜に ひとりかすまぬ波の音かな

  • 花よりあくる 地唄箏曲美緒野会


    花よりあくる みよしのの 春のあけぼの 見渡せば 唐人も高麗人も 大和心になりぬべし

  • 練習14 地唄箏曲美緒野会

  • 練習15 地唄箏曲美緒野会

  • 練習16 地唄箏曲美緒野会

  • 岩間とぢし 唄 金田和歌奈
    箏 小野真由美


    岩間とぢし 氷も今朝はとけ初めて 苔の下水 道もとむらむ
    (新古今集/西行法師)

  • かざしの菊 地唄箏曲美緒野会


    露ながら おりてかざさん菊の花 おひせぬ秋の ひさしかりけり
    (古今集)
    *この曲は壱越(D)雲井調子で弾いております。

宮城道雄小曲集・第一集(邦楽社発行)

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